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画像説明 種もみには芒(のげ)という髭のようなものが付いています。それを取り除く作業を脱芒(だつぼう)と言います。餅つき機のような機械に入れて回転させ、もみどうしの摩擦で取り除くことができます。
慣行栽培では農薬を水に溶かして浸種しますが、有機栽培では農薬を使えませんから、種もみの殺菌を熱湯を使って行います。お湯の温度は60℃で10分間浸し続けます。温度が高すぎたり、時間が長すぎたりすれば発芽せず、慎重に行わなければなりません。
種まきの前に催芽(さいが)という処理をします。32℃のお湯に20時間くらいこれは種の胚芽という部分から芽が出掛った状態にすることです。これをすることで種まき後の出芽がそろいます。 播種機に苗箱を入れると、床土、種、覆土、水が自動で入ります。 これをハウスに移動して並べ、管理します。最初38℃で発芽させます。温度が高すぎると高温障害となり低すぎると発芽不良となります。芽が伸びてきたら25℃から30℃くらいで管理します。
冬の間に作っておいた自家製発酵肥料を散布します。窒素、リンサン、カリなどの 成分は予め調べておきます。食味向上のために規定の量より少なめに散布します。
代掻きは2回行います。1回目(粗代)は田んぼに水を貯めて故意に雑草を 生えやすくします。水田雑草は水を張り水温18℃くらいにならなければ生え ません。2回目(本代)はその雑草を根こそぎ練り込み、次に生える雑草を 少なくするために行います。(画像は2回目)
田植えはポット苗専用田植え機で行います。一般的な田植え機はマット苗 と言い稚苗苗(2.5葉)ですが、有機栽培は成苗苗(4.5葉)の大きな苗を 植え付けます。活着(根着き)が良く、この後の除草作業でも苗のダメージを 少なくします。
くず大豆を田んぼ一面に散布機で散布します。有機物を表面 に散布することでアレロパシーが発生、雑草を抑えやすくします。 また大豆からはサポニンという抑草効果を高める物質も 出ます。
中耕と言って田植え後の水田を耕しながら雑草を取る作業です。 これを田植え後、1週間ごと3回行います。1回目は田植え後4日 くらいで行うため苗が小さいと引き抜けてしまいます。早く活着する ポット苗がここで効果を発揮します。ほぼ畝の幅のかご車輪が高速で 回転し雑草を引き抜き浮かせます。雑草が小さければ効果がありますが 大きくなると効果は激減します。
田んぼの外周には必ず畔があります。水田作業の中間管理の一番 の仕事が畔草刈りです。4月から9月まで4回から5回行います。 特に出穂(しゅっすい)期はヒエという草の穂が伸び、それが大好きな カメムシが付きます。 その時期にヒエが伸びないように刈り取らないと稲穂にそのカメムシが 付き被害が出てしまいます。(画像は田んぼオーナー様の田んぼと 畦畔草刈り機)
コンバインで稲刈り作業をします。刈り取りの時期は出穂より積算温度 で1000℃と言いますが、食味向上のため少し早刈りします。まだ青い 米が少し稲穂の下の部分に残っているくらいです。欲張って完全に登熟 するまでおけば刈遅れで食味が下がります。
刈り取った籾は水分が多く含んでいます。これを長期保管できる水分 に乾燥します。乾燥機は遠赤外線乾燥でむらなく効率的に乾燥しますが 更にむらを少なくするため、2段乾燥と言い、17%くらいで一旦停止させ 自然に水分を均一化させます。最後に15%まで乾燥させ仕上がります。 調製作業は籾すりと言って籾の殻を剥がし、玄米にすることです。 籾すり機という機械で行いますが、調整を上手にしないと玄米に籾が 混ざって異常品となってしまします。
格付けとは、有機栽培米であることを検査確認し、JASマークを その袋に張り付けることです。有機栽培では重要な作業で検査 の履歴やJASマークシールの受け払いまで認定機関の福島県に 報告義務があります。 これらの作業はどれひとつ欠かすことはできません。このように 多くの手間暇をかけて有機栽培米は完成します。
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